【46%削減】小泉環境相の発言の意図

「おぼろげながら浮かんで来た」発言で波紋

 23日、TBS・news23での小泉進次郎環境大臣の発言が議論を生んだ。その内容は、2030年度までに温室効果ガスの46%削減を目指すというものだった。しかし、経済産業省の試算では、どう頑張っても30%台後半が限界だそうだ。46という数字は非現実的なもので、その点にまず、批判が多くみられる。ただ、一番の問題は「なぜ46か」である。小泉氏はそれについて「おぼろげながら46という数字が浮かんで来た」という説明をしており、「何の根拠もない」という批判が噴出している。

 

これは失言ではない

 ここまでを読むと、小泉氏の信用が落ちるのも無理はないように感じる。しかし待ってほしい。元動画をすべて見てみると、オリンピックについてのたとえ話があることに気付く。「金メダルを目指してる人が銅メダルを取ったとして、批判しますかね」という発言がある。ここで言う金メダルが46%削減を指していることは言うまでもない。銅メダルはそれに届かない削減のことだろう。つまり、彼はもともと46%が非現実的であることをわかっていて、あえてそれだけ高い目標を設定したのだ。そして、非現実的とは言っても100%削減などという目標を掲げてしまうと、国民の意志を削ぐばかりか、自分の大臣としての立場も危うくなる。そう考えて、現実的な数字より少し上の40~50の中で適当に選んだ数字、それが偶然46だったのだろう。過去の小泉氏の発言からするとかなり進歩したな、と私は思う。